大河ドラマ

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にハマってます。
なので大河ドラマ関連の本を2冊を紹介。

炎環 / 永井路子

初期の鎌倉幕府を巡る人々を描いた連作短編集。
悪禅師、黒雪賦、いもうと、覇樹の4編から成ります。

悪禅師→全成
黒雪賦→梶原景時
いもうと→北条政子の妹・保子(ドラマでは実衣)
覇樹→北条義時

歴史物を普段読まないので、正直単語は難しかったです。
甲冑に関する用語とか。
でもものすごく面白いのでおすすめです。
野心や忠義に関わらず、運命が全てを決める非情さが凄い。
そして義時の強かさ…。
政子と保子の女同士の戦いも読み応えがあります。
ドラマと見比べても面白いです。

こんなに面白かった百人一首 / 吉海直人 監修

なぜ小倉百人一首かというと、鎌倉殿、源実朝の和歌が載ってるから。
実朝は歌人としても有名で、金塊和歌集という歌集も出しています。
ドラマでも実朝の和歌は紹介されていましたね。
後鳥羽上皇と慈円和尚の歌も載っています。

そしてこの小倉百人一首には、ある逸話が…
この百首は歌人として有名な藤原定家が選んだものが元になっていると言われています。
定家は鎌倉幕府の御家人で、出家して京都へ来ていた宇都宮頼綱という人から、小倉山の別荘の襖を飾るために選定を依頼されたそうです。
この宇都宮頼綱は牧氏の変(ドラマでは北条時政と愛妻りくさんの謀反)の時にその煽りを受けて、義時らに謀反を疑われ、その意志がない事を証明するために出家して京都へ来たらしいです。
可哀想な人だ。

さて、こちらの本はそんな小倉百人一首についてその歌の作者と歌の内容をわかりやすく解説しています。
こんなに面白かった、と自ら言うだけあって面白く、さくさく読めます。
例えば、定家が記念すべき最初の一首を選ぶ気持ちは、ロックの名曲BEST100の最初に紹介する曲を選ぶ気持ちに例えられています。
人によっては分かりづらい例えかも…。でも音楽好きの方はこの一曲に悩む気持ち、或いは全く迷わない人もその思い入れは、ちょっと親近感が湧くかな。
私のように古典は良く分からなくても、手軽に読めて楽しめる一冊です。
ただ、挿絵はちょっと絵が濃い漫画風なので好みが分かれそう…。

おまけ ドラマ挿入曲

最後にドラマ関連の音楽も紹介します。
第42話の後半で流れてたのはドヴォルザーク「新世界より」です。
ドラマも目が離せない展開ですが、音楽の迫力も凄かった…。
最後の北条時政を孫の泰時が伊豆に訪ねたシーンはその第二楽章、「遠き山に日は落ちて」の歌詞で有名なとても優しい雰囲気が素敵な曲です。
二人の雰囲気にぴったりでした。

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